インタビュートップへ | ONEOWNERのOWNERとダベるの巻 »

カリフォルニアドールズ インタビュー

全音楽界を震え上がらせる(!?!?!?)異次元デュオ、カリフォルニアドールズが遂にアルバムデビュー
  / 文・聞き手:南波一海
吉田アミと和田ちひろによるデュオ、カリフォルニアドールズ(以下カリドル)。東京の特殊音楽専門店でひっそりと売られていたCDRで彼女たちを知った人もいるだろうし、ムーンライダーズのトリビュート盤や驚異のボックスセット『はっぴいえんどかばあぼっくす』でその名前を見たことがある人もいるかもしれません。毎回違う様相を呈するライヴに唖然とさせられた人もいると思います。もちろん吉田さんと和田さんそれぞれの活動からカリドルを知っていった人もいるでしょう。また、彼女たちの音楽はおろか存在自体全く知らない人もいるでしょう。

しかし、このアルバムを前にすれば、そんなことはどうでもいいことだ、ということがすぐに分かります。CDをかけて流れてきたのは、それまでの予備知識の一切合切を無効にしてしまうほどの異次元の音楽でした。これまでに体験したことがなかった音楽を目の当たりにして、そのまま放置しておくわけにはいかなかったので、その異次元に少しでも近づくべく、インタビューを敢行することを決意(ontonson WEB上では初の試み!)。

カリドルをリリースするために新レーベル「COMMUNE DISC」(全部大文字になりました)を立ち上げた鈴木氏を交え、吉田アミ、和田ちひろの両氏にお話を伺いました。

― まず基本的なところから・・・
(吉田アミ):こんなさー、インタビューとかじゃなくて、一日遊園地に行くとかじゃないとだめだって!デート・インタビューとかデート・レポートとか言って。
(和田ちひろ):ナイトクルージングとか行こうよ。船がいいよ。今、浅草からヒミコっていうのが出てるんだよ。
:ヒミコに乗ってタイタニックごっこしようよ。でひとり死亡(笑)。
― ・・・。ではふたりの馴れ初めから。
:まだプロポーズされてないよ。
:ああ…。そうらしいよ…。でも「私は音楽だけが恋人だから」みたいな。
― えと、結成のいきさつ教えて下さい。
:えー、なんとなくだよね。「夜行人間」って町田でやってたイベントか「76年式(1976年生まれが集うゆるゆるDJイベント)」かどっちかで、「お、かわいい女がいる」と思って声掛けた。こういうのって女子いないじゃないですか。
:そのイベントで映像やライヴをやったりしてて。その後吉田さんからメールが来て、告白されたんですよ。
:なんか勝手に言ってるんだけど…。「あなたとバンドやりたい」とか言って?(笑)
:そんな感じ。いやあれはラブレターだったよ(何故か真顔で)。
― それはいつ頃の話?
:97年とか?
:嘘だよ!2000年くらいだよ。
― じゃあ結成してわりとすぐに最初のCDR(2001年リリースの『カリフォルニアドールズ物語』)作ったんだ。
:うんわりと。
鈴(コミューンディスク鈴木):そうそう、ふたりが茶柱(渋谷にあった特殊ショップ )で営業している時に出会ったんだよ。
― 営業とか行くんだ。
:そんな気分だったんだよね。「営業!」みたいな。
― CDR出した後からずっと録ってたの?
:うん、バラバラだけど。
:ちゃんとやったのはここ1年だよね。
:そうだね。"アイム・ショックド"とかは結構前からあったけど。足掛け何年だけど、意識したのはこの1年くらい。
― なんかね、時代と全く関係ない音してるよね。古臭いとかじゃないんだけど、「なんだなんだ、これは」みたいな。
:うそー。エレクトロニカじゃないの?(笑)
:でもエレクトロニカの要素は入ってるよねー。
鈴:そんな無理矢理今っぽいキーワードを入れようとしなくても…。
:でも昔を懐かしむ感じでもないでしょ?
― なんて言うんだろうね、こういうの。
:新しい言葉作ってよー。新しい音って言葉がないじゃないですか。真の意味のアヴァンギャルドっていうか(笑)。まだまだ、わかりにくいかもしれないけど、これが一番新しいっていうか。100年くらい経てばね。もう死んでるって。
― (笑)、アルバムタイトルも、何の影響もない感じで。
:オンリー・ワンって感じ?(笑)。でも最初は『世界は、』だったんだよ。世界は、何?みたいな。
― 『世界は、』?それもすごいね・・・。
:2年前くらいに思ってたことだけどね。

― クレジットが色々な人の作曲になってるんだけど、これってどういうことなの?
:あれはね、カバーというか元ネタがあって、全然違う風にしてるから、なんていうか、カバーとも違うというか。
:インドネシアの童謡集のテープとか。
:そういうのとか昔の歌とかから持ってきてるんだけど、思い入れがあるのとかじゃなくて、「あ、これいいじゃん」みたいな感じで。
― ドラジビュスみたいな。じゃあきっかけを得るためのような感じ?
鈴:インスパイアされて作曲しました、みたいな感じなのかな。
:そうなのかも。歌詞はほとんど自分たちで書いてる。
― その音源からサンプリングとかはしてる?
:それは全くない。自分で鍵盤弾いて打ち込んでる。メロディも変えたりしてて。
:ライヴではサンプリング使うこともあるけど、このアルバムでは何かから取ったやつとか入ってないよね。
― お互い「こういうのができたよ」って持って来るの?
:どうだろう。あ、和田さんライヴ当日に突然持ってきたりするよね。一時、毎回のライヴで「さっき作ったよー」とかいう曲やらされたりしてた。"お嫁さん(が欲しい)"とかそうだよね。
:あったね、そういうブームが。家で作っといて、吉田さんに聴かせたら、思いのほか盛り上がったりして。「やろうやろう」みたいな感じで。
― ちひろちゃんが持ってくることが多い?
:でも一緒に作るかな。
:私が作ったやつには「こういう音がいいんじゃない?」とか相談したり。わりとハーフ&ハーフで。お互いある程度作って、話し合いで変えることもあるし、「こういう風にやって」ってやらされることもあるし、その逆もある。"アイム・ショックド"とか和田さんとこでとったよね。あれは、ビデオをフィードバックさせてるんだよね。
― へぇーーー。
:説明してよ。
:でもあれは企業秘密だから。
:ああ、真似されないようにね。
:いやいやいや。
:あれはすごいトラック数で。エンヤみたいな。
― アミさん、コスモスとかアストロツインとかとは全然作り方違うよね。
:違う違う。100倍くらい時間かかってるからね(笑)。
― ドラムの打ち込みとかやってるし。"Alex Expander"。
鈴:あれアレック・エンパイアへのオマージュなんでしょ。ユタ(川崎)君が「アレック・エンパイアみたいだね」って言ってて。
:あー。でも名前勘違いしてて(笑)。アレックスとか言ってて。でそれがそのまま曲名になった。
― パソコンでまとめたんですか?
:編集はパソコン。でも"うじ虫"とかは全部和田さんのサンプラーで。
:MTRついてるから。歌ものはうちで一緒にとって、まとめは吉田さんちでやって。
― それは行ったり来たりで大変だね。
:無駄なこといっぱいしてるよねー。みんなどうやって作ってるんだろうね。でもそういう作り方とかを模索していくのがミュージシャンじゃないの?みたいな。
― お互い同じソフト使うと楽なんじゃない?
:うちら同じソフト使ってても全然違う使い方してるしね。
:え、そうなの?
:え、全然違うじゃん。お互いSOUND EDIT使ってても全然違ったじゃん。
:あははは。
:…、まぁ、食べなよー。(ピザを和田さんに勧める)

― 歌詞はなんで文字に起こさなかったの?
:私はねぇ、聴いて覚えたり勝手に解釈されたりしたいというか。なんか、歌詞カードがあると、それ読んじゃったら聴かなくないですか?
:「炊きたてご飯はおいしいね」とかね、それだけ見てもわけ分からないしね。
:"ラスボス"とかも歌詞だけ見てもね。でも"ラスボス"頑張ったよね。
:頑張ったよねー。二人で練って考えたよね。
:私が和田さんをインタビューして、「言いたいこと言って」ってキーワードをチラシの裏とかにワーと書いてって、それを和田さんが寝てる間に組み立てて。私が曲聴きながらぶつぶつ書いてたら、和田さんが大笑いしてて(笑)。
:「何それー!」とか言って(笑)。
:「えー」とか言われながら、「和田さん、できました」って渡して。「まぁいいんじゃない?」とか言われて(笑)。
― 他に二人で歌詞をやったのは"遺伝子リコピー"。
:ああー。あれは吉田さんがほとんど書いたんだけど、
:一回書いて、データ消しちゃって(笑)。
:それで微調整してね。
:微調整して…
鈴:微調整…
:微調整(笑)。
― どんな調整ですか(笑)。
:微調整入っちゃった。だめだ、「微調整」だめだ。(何故かずっと笑っている)
:(優しく)微調整、良いよ。
:微調整必要だよね。(まだ笑ってる)
:"ぼろぼろ"とかは全部ひとりだね。"俺いい奴 俺悪い奴"とかも。
― クレジットの、lyricsとwordsの違いって何?
:ニュアンスの違い。リリックは即興で、ワードは歌。
― じゃあ"俺いい奴 俺悪い奴"は、、
:毎回違うよね。アドリブだもんね。だからライヴに来て欲しいよねー。
― すごい。どういう発想で言葉が出てくるのか全くわからない。
:"俺いい奴"をライヴでやる時、和田さんがすごいナーバスだから大変なんですよ。ずーっと書いてて、「ごめん今話し掛けないで」とか言って。恐いんだもん。
:それでねー、私がそうなるもんだから、吉田さん一度怒ったことあって、、
:怒ってないよ!
:「バンドだったら、ライヴ前は仲良くするべきだよ」とか言って(笑)。
:それ自分で言ったんじゃんか!…まぁ面白かったらいいかみたいな。まぁそんなこともあって、頑張って作ってきたわけですよ。ってまとめようとしてる(笑)。

― 中盤くらいからわりとポップな展開で。
:曲順は難産だったよねー。「鈴木さん、変えたいんだけどー」って呼び出されたりして、深夜の目黒までバイク走らせたり。
鈴:そうそう。全部決まった後に。
:「新曲入れたい」とか言って。
鈴:今更変更できないって時に(笑)。
:曲順は吉田さんが一回考えたんだけど、曲を入れ替えたり、そのへん、微調整して。
― 最後2曲がライヴだね。
:なんか、ボーナストラックみたいな感じで。聴きにくいかなーと思って。
― そんなことないけどね。違和感ないよ。あれどうやって録ったの?
:あれはライヴ映像のビデオから。
:「こんなところにお宝だー」って。

:鈴木さん、何か喋って。
鈴:…ふたりは、ここ1年頑張った。
:あはは、皆頑張ったよね。
鈴:半年くらいでスパートかかったよね。完成したことが奇跡。
:奇跡!(笑)。でも皆の力が結集したらすごいよね、みたいな。
鈴:イラストの絵も、電話口で知らされて。
:あははは、突然「決まったから」とか言って。鈴木さんちょっとキレ気味で(笑)。
鈴:「まじすか?」って(笑)。
― これすごいよね、刺青のところ、カリドルになってる。
鈴:絵自体は元々あったんだけど、入れてくれた。
:「もっと似せて書きましょうか?」って言われたんだけど。
― でもなんとなく似てるよね。
:左が私で、右が和田さんってよく言われる。でも図々しいよ。
― いや、似てるよ。
:お!きたきたきたー!
:でも絶対一人くらいは「この人たち、寺田(克也)さんと寝てる」とか思ってるよねー。
一同:ないないないない。
― なんか、居酒屋みたいだな。鈴木さん、ディレクションとか全くしてないんでしょ。
鈴:してないね。クオリティコントロールは一切してない。もうやりたい放題で。
:ジャケットも、「デジパックが良い。もうデジパックでいいよ!」とか言って。
:「すっずき、すっずき、」とか言って。


:こないだ妹分のバンドを作ろうって話になったんだよね。
― え、もう?
:候補ももう挙がってるんだよね。ハルカリとか。
:え、ハルカリ?それ初耳。
鈴:妹っていうか、年とか一緒くらいでしょ。
:全然違うよ!図々し過ぎ。
鈴:え若いんだ。そうなの?
― 10歳くらい違うよ。でもカリドルが誰かの妹バンドみたいだよね。
:誰だれだれ?
― 好きな人がすごい多いじゃん。みんなに愛されてるよ。
:そんなことないよー!
― いやいや、鈴木さんがアルバム出すって言ったのもそういうわけだし。
鈴:気付いたら出すことになってた。
:すごいゴリ押ししてね(笑)。でも鈴木さんには感謝してるよねー。素敵なお兄さんていう感じで。でも競争率高くて、他にもカリドルのCD出したいって人もいたしね。鈴木さん(Improvised Music From Japanの鈴木美幸氏)とか。鈴木さんだけにモテる、みたいなー、あはははは!

― 今更ですが、カリフォルニアドールズの名前の由来を教えて下さい。
:吉田さんが「〜〜ガールスがいい」って言ってたんだけど、その時結構好きだった映画があって、そこから。「ドールズだけどいい?」って聞いて、「いいですよ」って。
:で私は結成してから2年後くらいして、和田さんちでその映画見せられて。わざわざビデオ借りてきてくれたんだよね。練習の時に見て、でー見た途端に40度の熱が出た…。
― アミさん病弱だよね。
:弱い弱い。超虚弱体質。
鈴:弱そうに見えないんだけどね。
:人といる時は我慢してるから。で、ひとりになるとガッーと来る。って、今の言い方ポイントアップ?
:ポイントアップだよ!

― 最後に皆様にメッセージをお願いします。
:クリスマスプレゼントとかに買って欲しいよね!2枚くらい。それと、とりあえずサイトができました。各界からのコメントが来てるので、サイトを見て下さい!
:地道に努力して参ります。新人なんで。
:「I LOVE YOU」とか書いといてよ!


吉田アミweb
主にリズムや絶叫等を担当。 また、ヴォイスパフォーマーとして、自身のソロ活動の他、astro twin(w/Utah Kawasaki)、cosmos(w/sachiko M)でも活躍。2003年度アルスエレクトロニカ デジタル・ミュージック部門で、astro twinとcosmosのアルバムをそれぞれ収録した2枚組『astro twin+cosmos』がグランプリにあたるゴールデンニカを受賞。
和田ちひろweb
主にひらめきとメロディ、打ち込み等を担当。大学時代にビッグバンド、昭和歌謡ショー、ロックバンド等の音楽活動を経て、2000年初め頃カリフォルニアドールズを結成。11歳の時に自身で録音したピアノ弾き語りのテープが彼女の初作品ともいわれる。

 
カリフォルニアド−ルズ 『ドラゴンタイガーエスカルゴ』
California Dolls "Dragon, Tiger and Escargot"
(COMMUNE DISC/ CD1)
¥2,415
話題騒然、吉田アミと和田ちひろによるカリフォルニアドールズのフルアルバムが遂にリリース。 デス童謡?チャームハードコア?アヴァンRPG?乙女テクノ?ポストフリースタイル?ボーダーレスレス?いくら造語を作っても当てはめることができない超特殊なこのユニット。曲の作りやアレンジ、歌詞、演奏/発声、録音/ミックスに至るまで、よくよく聴いてみても、そのどれもが果てしなくオリジナルで愕然とします。経験したことのないほどおびただしい数の???を浴びせられること必至。ジャケットのイラストレーションは寺田克也氏によるもの。(release:Dec.2004)